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国指示権、今国会成立へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 参院総務委員会は11日、非常時に自治体に対する国の指示権を拡大する地方自治法改正案を18日に採決する方向で与野党が調整に入った。今国会で成立する公算となった。11日は参考人質疑が行われ、有識者からは必要性を疑問視する意見も出た。
 国の指示権は現状、災害対策基本法や感染症法など個別の法律に規定がある場合に行使できる。改正案は「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」であれば、個別法に規定がなくても国が自治体に必要な対策を指示できるようにする。
 参考人質疑は、行政法学者ら4人が出席。指示権の拡大を首相に答申した地方制度調査会の委員を務めた牧原出東京大教授は「法に基づき、限定的な指示権を行使した方が合理性が保てる」と強調した。一方、小原隆治早稲田大教授は「国の要請が合理的で説得力があれば(指示でなくても)従うことは可能」として、現行法でも非常時の対応はできると批判した。