阿嘉修、嘉数道彦、佐辺良和、大浜暢明、玉城匠、上原崇弘の6人の若手中堅舞踊家による舞台「蓬莱(ほうらい)8」(シアタークリエイト主催)が4月27、28日に浦添市の国立劇場おきなわであった。化粧や髪結いをせずに踊る「素踊り」でおなじみとなった公演。新作「幽霊寄合(ゆーりーゆーれー)」を初披露し、新境地を開いた。27日を取材した。
新作「幽霊寄合」は、作詞・演出を嘉数、舞踊・振り付け構成を阿嘉と佐辺、音楽構成を仲村逸夫が担った。舞台は死者たちが集う霊界。天寿を全うした老女の霊(阿嘉)が仲間入りする。迎え入れるのは、病で幼くして亡くなった童(玉城)、駆け落ちの途中で水難事故で命を落とした遊女(大浜)と里之子(上原)、男性に振られて自ら命を絶った美童(佐辺)、女性好きで恋多き主の前(スヌメー)(嘉数)の幽霊たち。
それぞれの境遇を語る「寄合」をする様をコミカルに表現した。
童役の玉城は動作や目線からかわいらしく、悲しみと情念に満ちた美童を演じた佐辺は艶っぽさもあった。幽霊のように手の甲を前に見せたり、火の玉をふわふわと見せたりする舞も楽しい。客席からも楽しく笑う声が聞こえた。
「コミカルな素踊りへの挑戦」という佐辺の案に端を発したという。語りと舞の展開は、西川箕乃助ら日本舞踊家5人が流派を超えて結成した「五耀會(ごようかい)」の「七福神船出勝鬨(しちふくじんふなでのかちどき)」をもほうふつとさせる。蓬莱の人気演目になりそうだ。
幕開けの創作舞踊「春暁(しゅんぎょう)」(舞踊・振り付け構成=阿嘉・嘉数・佐辺、音楽構成=仲村)は、これまで女踊だったが、今回は嘉数と大浜が男役、阿嘉と玉城が女役の打組舞踊で披露した。春のうららかな雰囲気の中、男女で織りなすみずみずしい踊りで新たな魅力を見せた。
そのほか、上原が「伊野波節」、佐辺が「高平良万歳」、阿嘉と玉城が「鍬(くわ)の舞」、嘉数が「花風」、佐辺と上原が男役、大浜と玉城が女役で「いちゅび小」を踊った。 (田吹遥子)
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蓬莱8、素踊りに新境地 新作「幽霊寄合」コミカルに
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琉球新報朝刊
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