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京都で琉球芸能公演 舞踊、組踊、芝居 500人堪能


京都で琉球芸能公演 舞踊、組踊、芝居 500人堪能 喜歌劇「想い」の一場面(桂秀也撮影)
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 【京都】国立劇場おきなわ開場20周年を祝して「琉球芸能春秋座特別公演」が1日、京都市の京都芸術大学京都芸術劇場(春秋座)で開催された。琉球芸能公演は2012年から始まり隔年で開催され、今年で7回目となる。
 古典舞踊から雑踊まで披露した琉球舞踊、明治以降に生まれた沖縄芝居、琉球王朝時代の式楽である組踊と、京都で琉球古典芸能を一度に堪能できる特別公演の開催に、総勢500人の観客で席が埋まった。大阪府や兵庫、滋賀県から来た人やリピーターも多く人気の高さがうかがえた。
 公演は2部構成で上演された。第1部は琉球舞踊を披露した。沖縄を象徴するような華やかな紅型衣装が目に留まった。特に金城真次による古典女踊「稲まづん」は、男性の踊り手とは思えないような顔の表情や、体の優雅な動きに琉球舞踊の魅力を感じた。国指定重要無形文化財「組踊音楽歌三線」人間国宝の西江喜春が率いる地謡の生演奏が踊り手とよく調和し、舞台をより楽しむことができた。
 続いて伊良波尹吉作品の沖縄芝居、喜歌劇「想い」を上演。沖縄芝居ではどっと笑いが起き、うちなーぐちが観客の心を引き付けた。
 第2部は玉城朝薫作の組踊「女物狂」を上演。盗人(川満香多)に連れ去られた亀松(富島花音)と、母(新垣悟)が再会するまでの物語。前半はテンポよく、後半はゆったりと、曲想に合わせて狂乱の体を表現した。最後は出演者全員が舞台に立ち、会場いっぱいに響き渡る大きな拍手と共に幕が下りた。
 会場入り口広場には沖縄物産販売や舞台衣装と小道具、アメリカから里帰りした「御後絵」の写真などの展示もあり来場者が足を止めていた。 (磯部美代子通信員)