大泉洋は、諦めの悪い男の役がとても似合う。本作は、そんな大泉の魅力を最
大限に生かした映画だった。
余命宣告を受けた幼い娘。あらゆる医療機関に足を運ぶが、心臓疾患を持つ彼女への答えはどこも同じだった。「じゃあ俺が人工心臓を作ってやる」と立ち上がった父を演じたのが、大泉だ。
父は小さな町工場を経営しており、医療のことは全く知らない。それでも、何もしないまま娘の寿命を待つことはできなかった。娘のため、がむしゃらに行動し、諦めなかった父の10年。その熱意は、残された家族と、ジレンマを抱える医師たちをも巻き込んでいく。
ヒューマンドラマとしても、ビジネス映画としても素晴らしい作品である。驚くべきは、この映画が実話であるということだ。勇気をもらえるどころか、まるで背中を優しく押してもらったような気分になった。やってみたい、と思うなら自分を信じてやってみればいい。本作は、私の「くじけそうになった時に見たい映画リスト」にすぐさま追加された。(スターシアターズ・玉城愛鈴)
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ディア・ファミリー スターシアターズ・公開中 娘のために諦めない父
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琉球新報朝刊
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