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琉舞渡嘉敷流第3回関東公演 初代ゆかり横浜で初


琉舞渡嘉敷流第3回関東公演 初代ゆかり横浜で初 「長伊平屋節」を舞う渡嘉敷流二代目家元守良=8日、神奈川県横浜市の港南公会堂
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 【神奈川】琉球舞踊渡嘉敷流の第3回関東公演「藍より青く」が8日、神奈川県横浜市の港南公会堂で開かれ、家元の二代目守良が「長伊平屋節」を舞ったのをはじめ、門下生が11演目を演じた。初代守良が十八番とした舞踊歌劇「三日月(アカマタ)」を師範の花岡尚子らがダイジェスト版で演じるなど、渡嘉敷流伝統の芸を披露した。初代守良が終戦間もない頃に琉球舞踊の普及に努めた横浜では初めての公演。
 「長伊平屋節」を舞った守良は、優雅な所作の中に恋心を表現した。
 2曲構成で演じられることが多い「綛(かせ)掛(かけ)」は、渡嘉敷流の伝統にのっとり「さあさあ節」「干瀬節」「七尺節」の3曲構成で演じられた。
 初代守良の直弟子で、二代目守良が幼少期に師事した新垣文子から伝えられた「若衆菊見踊り」は、華やかな舞で会場を沸かせた。
 創作舞踊では、台風の猛威にさらされながらも祈りによって希望を見いだす「大風」で島に暮らす人々の気持ちを表現。新垣が振り付けした「旅千鳥」はテンポのよい曲に乗せてコミカルな舞を見せた。
 初代守良は民俗学者の柳田國男らに招かれ、1948年から51年にかけて神奈川で琉舞普及に尽力した。渡嘉敷流関東公演は、過去2回は東京を会場にした。横浜での公演を終え、二代目守良は「初代の功績をたたえるとともに、その芸を発展させることをゆかりの地で改めて決意できた」と語った。 (金城潤)