音を立てたら、即死。世界一うるさい大都市と言われるニューヨークに“彼ら”は出現した。音に反応して人間を襲う謎の生き物によって、街は一気に静まり返る。
本作は、大人気シリーズ「クワイエット・プレイス」の最新作だ。主人公は末期がんを患う女性、サミラ。一般的なスリラー映画と違うのは、彼女が生きるのに固執していないことである。余命を宣告されている彼女は、一つの目的を果たすために己の道を進む。
音を立ててはいけないという緊張感は、観客にも伝わり、映画館の劇場内も静寂に包まれる。唾を飲み込むことさえ慎重になる様子は、映画のリアル体験のようで臨場感たっぷりだ。私はというと、ポップコーンに手を伸ばしながらも食べるタイミングが見つからず、長らく硬直していた。
死への恐怖より、生への希望に光を当てた今作は哲学的な視点があり、考えさせられる映画だった。前日譚(たん)で“彼ら”が出現した初日から描かれており、シリーズを見ていない人も楽しめる内容だ。(スターシアターズ・玉城愛鈴)
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クワイエット・プレイス:DAY1 スターシアターズ・公開中 生への希望に光当てる
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琉球新報朝刊
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