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クラシック大胆に解釈 OBSESSION ピアノとドラム融合


クラシック大胆に解釈 OBSESSION ピアノとドラム融合 ラフマニノフ「鐘」などを演奏する「OBSESSION」のドラマー堀越彰(右)とクラシックピアニスト三舩優子=6月9日、沖縄市の島ピアノセンター
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 国際的に活躍するクラシックピアニスト三舩優子と30カ国以上の海外公演の経験があるドラマー・堀越彰のデュオ「OBSESSION(オブセッション)」の公演会(島ピアノセンター主催)が6月9日、同センターで催された。クラシックの譜面はそのままに、ドラムセットが加わり、2人の解釈により再構築された名曲たち。高揚感と疾走感が与えられ、格調高くもダイナミックな音楽へと姿を変えた。
 幕開けはコダーイの組曲から「ウィーンの音楽時計」を披露。冒頭からピアノの快活なメロディーがある。シンバルをたたくのではなく、さする、あてるといった演奏で、行進曲にある鐘の音やリズミカルなテンポを加えた。
 コープランド「エル・サロン・メヒコ」はメキシコの酒場をイメージした曲。ラテンの曲調を弾くピアノに、「ドン」「カン」「チン」などドラムセットの音が胸に響き、酒場の雑踏を表現するようなストーリー性を増大させた。
 ラフマニノフの「鐘」と「パガニーニの主題による狂詩曲」の組曲は初めて2人がデュエットした曲で、オーケストラで演奏されるような力強い曲だ。伴奏楽器であるはずのドラムが力強くメロディーの役割も担い、ピアノも負けじとスケールの大きな演奏で応えた。
 ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」は、冒頭の音符が弾けるようなピアノの演奏から引き込まれた。クラシックの繊細な曲調が、ドラムソロでジャズ調にひっくり返る展開。リズミカルに音を楽しむピアノを、さらに盛り上げるドラムセットの効果音的な役割。大満足の演奏に、観客からは大きく長い拍手が送られた。10月12日に、沖縄市のミュージックタウン音市場で、ジョージ紫スペシャルユニットとオブセッションのコンサートを開催するとの発表もあった。
  (嘉手苅友也)