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NSバレエ第51回発表会 鍛錬の成果美しく


NSバレエ第51回発表会 鍛錬の成果美しく パ・ド・ドゥを披露した平田もも(左)と、リュシアンを演じた昂師吏功(右奥)=6月23日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホール
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 NSバレエアカデミー(長崎真湖代表)が6月23日、第51回発表会「バレエへの誘い」を浦添市のアイム・ユニバースてだこホール大ホールで開いた。膨大なエネルギーを体の軸に集中させ、笑顔で美しく舞いポーズをとる。その姿に日頃の鍛錬をうかがわせた。客演は卒業生の昂(たか)師吏功(しりく)(谷桃子バレエ団ファーストアーティスト)、高橋裕哉(元Kバレエカンパニープリンシパル)、高橋斐乃(エステルクリサ主催代表)。
 1部は小品集。「コッペリア」抜粋では、安里心桜が連続回転する度に拍手が湧き、舞う姿は指先まで洗練されていた。「エスメラルダ」抜粋では、名嘉山杏が力強く、リズム感良く舞った。
 「パキータ」第2幕では、平田ももが初めてパ・ド・ドゥを披露した。リュシアン役は昂師。息を合わせて華やかにゆったりと舞い、リフトも高く安定していた。群舞は結婚式の豪華さを演出した。
 2部は「ジゼル」第2幕より「ウィリたちの森」を披露した。ジゼルを長崎代表が務めた。生徒たちは個性を持たないウィリ(精霊)を演じ、生気のない冷たい表情と統一感のある群舞で表現し、美しさがあった。ウィリを指揮する女王ミルタ(斐乃)は、威厳あるソロと冷酷な演技で緊張感を与えた。
 アルブレヒト(裕哉)とジゼルのパ・ド・ドゥでは、体重を感じさせず宙を漂うリフトに息をのんだ。過ちを悔いるアルブレヒトと、無償の愛をささげるジゼルを動作や表情で好演し、切なさの中に美しさのある、幻想的な世界を観客は堪能した。  (嘉手苅友也)