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海幕長ら218人一斉処分 特定秘密不正運用、パワハラ


海幕長ら218人一斉処分 特定秘密不正運用、パワハラ 防衛省公表内容のポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 特定秘密の不適切運用やパワハラなどの不祥事で、防衛省は12日、218人(延べ220人)を処分した。うち懲戒処分は海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長ら計117人。酒井氏は19日付で退職する。事実上の更迭とみられる。同省は、事務方トップの増田和夫事務次官、制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長、陸上幕僚長と航空幕僚長、情報本部長の最高幹部計5人を内部規定に基づく訓戒とした。 (3面に関連)
 過去最大級の規模で各組織トップの一斉処分は極めて異例。海自では他にも潜水艦の乗員が川崎重工業から不正に金品を受領していた疑いがある。国民の信頼が失墜し、安全保障政策に影響が出るのは必至だ。
 訪問先の米国で岸田文雄首相は日本時間の12日、記者団に「国民に心配をかけ、おわびする」と述べた。木原稔防衛相は閣議後記者会見で「国民の信頼を裏切るものだ」と謝罪。辞任は否定し、大臣給与1カ月分を自主返納するとした。酒井氏は臨時会見で「隊員教育や部隊の組織管理を指揮監督する責務を果たし得なかった」と陳謝した。
 処分対象は特定秘密の不適切運用の他、内部部局(内局)幹部のパワハラや海自の潜水手当不正受給、自衛隊施設での不正飲食の計4項目。酒井氏の処分は減給30分の1(1カ月)で、他の最高幹部5人とともに特定秘密問題の指揮監督義務違反があった。増田氏は俸給月額の10%を3カ月間自主返納する。