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トランプ氏撃たれる 集会中、耳を負傷 1人死亡 20歳容疑者を射殺 FBI、暗殺未遂で捜査


トランプ氏撃たれる 集会中、耳を負傷 1人死亡 20歳容疑者を射殺 FBI、暗殺未遂で捜査 米国ペンシルベニア州バトラー、ワシントン
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ワシントン、バトラー共同=井口雄一郎、新冨哲男】米東部ペンシルベニア州バトラーで13日午後6時(日本時間14日午前7時)過ぎ、11月の大統領選に向けた集会で演説していたトランプ前大統領(78)が会場外から銃撃され、右耳を負傷した。撃ったとされるのは同州在住の男トーマス・クルックス容疑者(20)で、大統領警護隊(シークレットサービス)が射殺した。連邦捜査局(FBI)は暗殺未遂事件として捜査し、動機を調べている。発砲は複数回あり、集会参加者の男性1人が死亡、男性2人が重傷を負った。 (3、10面に関連)
 中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで15日(日本時間16日)、トランプ氏を大統領候補に指名する共和党大会が開幕する。議会襲撃などで米社会の分断が深まり政治的暴力への懸念が高まる中、一大イベント直前の衝撃的な事件に国内外から非難が出た。選挙戦に影響する可能性もある。
 トランプ氏は命に別条はなく、ソーシャルメディアで「右耳の上部を銃弾が貫通した。大量に出血し、何が起きたか理解した」と説明した。一夜明けた14日には党大会で演説することを「楽しみにしている」と投稿し、参加意向を表明した。
 米メディアによると、クルックス容疑者は警備が及ばない会場外の建物の屋根によじ登る姿が目撃されていた。警察はライフルを押収した。米メディアは殺傷能力の高いAR15型ライフルが銃撃に使われたと報道。屋根の上で倒れたままの容疑者の映像も伝えた。
 バイデン大統領は東部デラウェア州で演説し「米国にこの種の暴力が入り込む余地はない。誰もが非難しなければならない」と述べた。13日夜、トランプ氏と言葉を交わした。電話とみられる。
 選挙集会では演説開始から数分後に銃声が響き、トランプ氏は右耳を押さえて演台の裏にしゃがみ込んだ。警護隊が駆け寄ると立ち上がり、拳を突き上げて聴衆にアピール。悲鳴が歓声に変わった。警護隊に囲まれたまま歩いて降壇し、車で会場を後にした。
 近隣の医療施設で治療を受け、数時間後に施設を出て東部ニュージャージー州に移動。トランプ陣営が公開した動画では、航空機のタラップを歩いて下り、手を上げるしぐさも見せた。