大輪の桜を咲かせて! 在校生から卒業生にエール 花道なくても巣立ちにステンドグラスの壁画


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「新たな旅立ちにエールを送る」という思いを込めた手作りのステンドグラスの壁画と制作の中心となった生徒たち=2月29日、うるま市の石川高校

 【うるま】沖縄県立高校で一斉に卒業式が開かれた1日、石川高校では、在校生が卒業生への贈り物として制作したステンドグラスの壁画が披露された。卒業生に見立てた大輪の桜が暗くした会場に鮮やかに輝き、会場は拍手が鳴り響いた。

 ステンドグラス壁画は同校初の試み。全校生徒にデザイン画を募り、2年生のジョセリン・ヘンリケさん(17)の案が選ばれた。図柄は、生徒たちを桜に例え、つぼみは1年生、咲き始めは2年生、大輪は3年生を表す。

 「仕事、進学など、それぞれの歩む道を頑張れというエールが込められている」とヘンリケさん。制作は美術部の生徒が中心となり、卒業式目前の2月28日に完成した。

 本来ならば全校生徒がそろう中、卒業式でお披露目する予定だったが、新型肺炎の影響を受け、会場は卒業生とその保護者のみの参加となった。美術部の花城清志郎さん(16)は「残念ではあるが、式自体が中止にならなくてよかった。一番見てほしい卒業生に見てもらえてうれしい」と満足そうに語った。

 ステンドグラス壁画の制作を提案した池田薫教諭(45)は「花道もない規模を縮小した式になったけど、在校生が心を込めて作った壁画は卒業生への花束になっただろう」と笑った。
 (新垣若菜)