多良間村、アオウミガメ30匹がふ化し大海原へ 「産卵にくる砂浜は誇り」


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砂浜からはい出して海に向かうアオウミガメの赤ちゃん=7月25日、多良間村

 【多良間】沖縄県多良間村の北側の浜で25日、約30匹のウミガメがふ化した。多良間中1年の清村一生さん(13)が発見した。砂浜から懸命に海に向かっていくカメたちは、波に助けられながら次々と大海原に泳ぎ出していった。

 沖縄美ら島財団の総合研究センター動物研究室の笹井隆秀さんによると、カメはアオウミガメで世界各地の熱帯や亜熱帯の沿岸部に生息している。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。

 多良間村では今年、沿岸部で泳ぐアオウミガメが昨年に比べて多く目撃されている。笹井さんは「八重山諸島や沖縄島周辺のアオウミガメの産卵や生息数は増加傾向にある。多良間島近海のアオウミガメも増加している可能性は高いと考えられる」と話した。

 笹井さんは「ウミガメが産卵にやってくる良い砂浜があるということを誇りに思ってほしい。アオウミガメはシュノーケリングでも観察できるような浅い海域でも餌を食べる。見掛けても触ったりせずに優しく見守って」と呼び掛けた。

(清村めぐみ通信員)