旗頭奉納、豪快に演技 健康と豊作祈願 大綱引き中止の本部町渡久地


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重さ60キロの旗頭を豪快に担ぐ持ち手ら=4日、本部町渡久地の西神社

 【本部】新型コロナウイルスの影響で大綱引きが中止となった沖縄県本部町渡久地区で4日、東西のアサギ(祈り場)に綱や旗頭を奉納し、健康と豊作を祈願した。アサギの前で重さ60キロの旗頭を持ち手が豪快に担ぎ、迫力のある演技を見守る地域住民から大きな拍手や指笛が湧き起こった。

 同区で6年ごとに行われる大綱引きは、新型コロナの感染拡大防止のため中止となった。だが、中曽根義人区長の「先輩たちから受け継いだ伝統を絶やしてなるものか」との強い思いが、今回の祈願につながった。従来は全長72メートル、重さ4トンの大綱を東西で引き合う。今回は奉納のために長さ10メートルの綱を子どもたちに引かせ、勝敗はつけなかった。2本の旗頭を先頭にした道ジュネーなども行わなかった。

 奉納を行った西神社の壁には、6年前の大綱引きの様子や綱の制作過程などの写真を展示し、伝統の継承・周知をした。親子4代で持ち手を務める仲宗根順二さん(39)は「持ち手も徐々に減っている。地域の先輩後輩が関われる貴重な機会で、残していきたい」と語る。旗頭奉納を見守った荻堂多希さん(本部小5年)は「すごくてびっくりした。ずっと見ていきたい」と笑顔を見せた。