地域の思いが詰まった「折り鶴壁画」 高齢者ら3000羽から制作 渡嘉敷村


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コロナ自粛期間中、地域住民らの協力を得ながら約3千羽の折り鶴を折り制作した壁画を披露する高齢者ら=9月28日、渡嘉敷村役場前

 【渡嘉敷】「折り鶴」を集めて制作したミンサー織図柄の「折り鶴壁画」がこのほど完成し9月28日、沖縄県渡嘉敷村中央公民館で村住民らに披露された。渡嘉敷村地域包括支援センターに通う80~90代の高齢者を中心に、村民らの協力を得ながら折り紙を折った。

 主催した同センターはコロナの影響で本年度の介護予防事業の中止に伴い、自宅でできる自主トレの体操や脳トレなどの課題を高齢者に配布。その一部に折り紙を入れて折り鶴作りを勧めた。また、地域住民にも依頼し、村内外から約3千羽の折り鶴が集まった。

 コロナの活動自粛が解かれた9月に高齢者らがセンターに集まり、体操の合間に全員で大小さまざまな折り鶴をベニヤ板(縦180センチ、横80センチ)全面へ貼り付ける作業に悪戦苦闘しながら取り組み、見事な共同作品に仕上げた。

 企画立案した同センターの新垣典子看護師は「多くの人のいろんな思いが詰まっている良い作品になった。コロナ自粛期間中、離れていてもつながりを感じられる、協力し合える良い取り組みになりました」と喜んだ。

 住民の新垣キヨさん(92)は「苦労したけど出来上がった作品に感激した」と笑顔を見せた。
 (米田英明通信員)