首里城を折り鶴410羽で再現 宜野湾の金城さん


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 宜野湾市の金城美代子さん(73)がこのほど、約1カ月をかけ、折り鶴約410羽を組み合わせて首里城を“復元”した。今年の10月末で焼失から1年がたった「ウチナーンチュのシンボル」再建へ願いを込めた。(名嘉一心)

折り鶴で首里城を作った金城美代子さん=26日、宜野湾市宜野湾の自宅

 赤と白を基調にした首里城は、ほぼ全てが折り鶴でできている。立体的に表現するために、サイズや形の違う折り鶴を組み合わせた。瓦部分や雲は3センチ四方、龍柱の目は1センチ四方の折り紙を用い、胴体が膨らみ羽が短い「豚鶴」と呼ばれる折り鶴で表現した。壁面や柱には4センチ四方の折り紙で、胴体が小さく羽が長い「変形鶴」を用いた。全体で約420枚の折り紙を使ったという。

 金城さんは、昨年10月の首里城焼失から「自分にできることはないか」とずっと考えてきた。今年の10月中ごろ、地域の折り紙教室に7年前から通っている金城さんに対し、夫が「鶴で首里城を作ることはできないか」と尋ねた。夫の一声に後押しされ、作品の制作を決意した。

 約1カ月間、家事の合間を縫って鶴を折った。金城さんは「城が焼失した映像をテレビで見た時は悲しかった」と振り返り、「微力ながらも、首里城再建への思いが届けばうれしい」と笑顔を見せた。