密を避けるため満開でも切断、球根盗掘…困難乗り越えユリ園が復活


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日ごとに開花が広がるユリ園=25日、沖縄市の県総合運動公園

 【沖縄】四季折々の季節感があふれる沖縄市比屋根の県総合運動公園にあるユリ園のユリが次々と開花、行楽客を楽しませている。

 昨年は開花シーズン中にコロナ禍となり、参観の密集を避けるため満開に咲き誇ったテッポウユリを断腸の思いでばっさり切断せざるを得ない事態となった。さらに追い打ちをかけるように昨年10月ごろ、約2千株の球根が盗掘されていることが分かった。

 職員は怒りと共に落胆したが、それを乗り越え、ユリ産地の伊江島から500株を確保し、盗掘を免れた球根を合わせて3千株余を近隣の保育園児を招いて植え付けた。

 ユリ園“復活”の思いが詰まった開花。遠見台の眼下に広がる園面積は2千平方メートルあり、ゴールデンウイーク期間中に見ごろを迎える。担当職員らは「子どもたちの夢を壊さないで」と訴える。

 福島誠司所長は「来春には元通りに数千株に増やし、まぶしくなるほどのユリのじゅうたんの光景を堪能できるよう管理に力を入れたい」と話した。
 (岸本健通信員)