「根性松」幹は空洞、折れても樹齢200年超 児童らの励み 名護・久辺小


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「根性松」の裏側=17日、名護市立久辺小学校中庭

 【名護】名護市立久辺小学校(上間享校長)の校庭に、「根性松」と呼ばれている松の木がある。樹齢200年以上、高さ約3メートル。幹が途中で折れ曲がったようにも見えるが、水平に広がるのは元々の枝。木の裏側に回るとさらに度肝を抜かれる。幹の中央部は朽ちて空洞になり、幹の3分の1が剥げ落ちていて、残りの部分を樹皮が覆って木全体を支えている。これが「根性松」と呼ばれるゆえんだ。

 この松の形状には「戦時中の爆弾で焼け残った」「雷が落ちた」などいくつかの説がある。17日、ボランティアで「根性松」の手入れをしていた同小OBの仲嶺眞宏さん(67)=仲嶺造園土木社長=によると、「ある時期に今の高さで切断された後、白アリなどで中央部や表皮の一部が腐ったが、残った下枝が成長して今の形になったのではないか。松は傷ついた表皮の再生力が強い」という。

 同小5年の當山悠莉さんは「去年、根性松のことを作文に書いた。爆弾で焼けて生き残ったと聞き、すごいなと思った」と話す。名前のゆえんにかかわらず、久辺小の子どもたちにとって「根性松」は心のよりどころとなっている。

 上間校長は「定期的に松の世話をしていただいている仲嶺さんに感謝している。根性松のゆえんについてさらに聞き取りなどを深めていきたい」と語った。
 (嶺井政康通信員)