伊江島名産の落花生「ジーマミ」今年は大量出荷します 「全国区」めざし第一歩


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収穫した落花生を手にする中村慎吾さん=9月21日、伊江村東江前

 【伊江】伊江島名産の落花生(伊江島方言・ジーマミ)の今年の収穫を終え、村内の生産量は昨年を大幅に上回る見通しとなった。村の落花生は近年はほとんどが自家用で作付けされ、出荷用としては毎年数百キロ程度だった。2019年に「地域おこし協力隊」に着任した千葉県出身の中村慎吾さん(37)が中心となり、落花生栽培の協力者を募り種を配布した。

 村では今年から落花生の莢(さや)もぎ機や殻割機などを導入した。他の作物と繁忙期が重なる農家に代わって出荷作業を請け負う事業を試験的に始め、農家の負担軽減と出荷拡大につなげた。人手を要する作業は、昨年から継続している農福連携の実績を生かし、今年も福祉作業所と連携し行った。

 今年は約30件の農家が協力し、出荷用だけで約2トンが集まった。一般向けの生落花生の販売は行わず、村内を中心に加工業者や卸売業者向けに販売される。

 中村さんは「多くの農家の協力で今年の出荷量は増えたが、村内だけでなく村外からも問い合わせがあり、まだ足りない状況だ。“伊江島といえば落花生”と全国に認知してもらえるよう、来年以降もさらなる生産拡大を図りたい」と意欲を見せた。

 落花生の問い合わせ先は伊江村役場農林水産課(電話)0980(49)3161。
 (金城幸人通信員)