【南城】橋を行き来して暮らす南城市玉城・奥武島の自然に魅了された琉球大の学生たちが卒業の研究課題にしようと防波堤に描いた下絵に、島の子どもたちが絵描きして楽しんでいる姿が話題になっている。
東京出身で教育学部美術科の江田幸恵さんから、橋を渡って右側の防波堤に絵を描きたいとの要望が中本進奥武区長にあり、早速、橋を管理している市農林水産部に連絡。瑞慶覧長敏市長の許可を得た。
江田さんは9月27日から琉大同期で人文社会学科の二枝紗莉惟さん、工学部の松尾衛さんと防波堤に通っていろんな魚類やサバニ、観音堂など描き始めた。
新型コロナ感染予防で家に閉じこもっている島の子どもたちを絵描きに参加させて元気にするいい機会と中本区長が江田さんに相談し、奥武こども育英会の小中学生たちが江田さんらが描いた下絵にペンキで塗っていく体験学習を始めた。
10月16日午後3時ごろから嶺井尚人子ども育成会長と共に防波堤に30人余の子どもたちが集まって、江田さんの指導を受けながらウミヘビやクラゲなどを描くことに挑戦。玉城小3年の女子はタツノオトシゴ、カメを描いて楽しんでいた。
江田さんは「ドライバーから声を掛けられうれしかった。どの子も、臆することなく伸び伸びと絵に向かって頼もしい。私たちも、島の観音堂とサバニの絵の年内の完成を目指し頑張ります」と笑顔を浮かべた。
中本区長は「コロナ禍ですっかり意気消沈していた島の子どもたちに絵を通して元気を与えられ大変よかった」と喜びを語った。
防波堤のすぐ前の道路を往来する車両が多いため、絵描きに夢中になっている子どもたちを見守ろうと、中村直哉さんら父母らが交通整理に当たっていた。
(知花幸栄通信員)