HY、琉球フィルと星空のハーモニー 舞台上と観客が一体に ツアー最終沖縄公演


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HYと琉球フィルハーモニックオーケストラが初共演した「HY&Orchestra Premium TOUR“星空”」=4日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟(Handmade Music提供)

 うるま市出身のバンドHYが、フルオーケストラと共演するツアー最終沖縄公演「HY&Orchestra Premium TOUR“星空”」を4日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟で開催した。舞台上に星球の照明が幻想的に演出され、HYと琉球フィルハーモニックオーケストラの約50人の演奏家が共演して、HYの名曲をオーケストラ編曲による演奏で全16曲を披露した。壮大な音色を奏でながら、HYはカチャーシーやダンスなどを用いて観客と一体となった。

 バンド結成20周年の記念ツアーの一環として開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で3度の延期となり、沖縄公演はツアーファイナルとして約2年半越しに実施された。オーケストラ公演の編曲・指揮、ピアノ、音楽監督はピアニストの大嵜慶子が務めた。

 オープニングに琉球フィルハーモニックオーケストラが前奏曲としてHYの楽曲「NAO」を演奏すると、HYの新里英之、名嘉俊、許田信介、仲宗根泉、サポートギターの佐藤大剛(ひろたか)が登場し、会場は拍手に包まれた。1曲目は「隆福丸」で飾った。新里は「満面な星空、一人一人が夢に向かって輝く姿を表現したかった。オーケストラの皆さんと一緒に、HYの音楽を深く、広く届けたい」とあいさつし「散歩に行こう」を爽やかに披露した。

 「モノクロ」や「告白」「366日」では、切ない歌声とオーケストラの演奏がより調和した。HYライブの名物である「イーズーコーナー」で、メンバーの寸劇が披露され観客の笑いに包まれた。

 後半はヒット曲「AM11:00」や「ホワイトビーチ」で観客を喜ばせ、アンコールにライブでしか披露されない「フェイバリットソング」や「ココロホシゾラ」を披露した。新里は「頑張っている時やつらい時、見上げた星空はきっと優しく包んでくれると思う。お互い頑張ろうね」とエールを贈った。ラストは「旅立ち」で締めくくった。公演は生配信された。
 (田中芳)