ぱっちり目の「琉球みやらびこけし」 手作りの特産品が50周年 沖縄・八重瀬町


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8種類の琉球みやらびこけし

 【八重瀬】沖縄県八重瀬町字仲座にある障害者支援施設(就労継続支援B型)太希おきなわの利用者らが作る「琉球みやらびこけし」。今から50年前、沖縄県が本土復帰した1972年に制作が始まった。

田港朝一さん(前列中央)、翁長敏光さん(前列左)と制作担当チームのメンバー=4月27日、八重瀬町の障害者支援施設「太希おきなわ」

 一般によくある目の細いこけしと違って、目をパッチリと書き変えて沖縄風にアレンジし「琉球みやらびこけし」と称したのが評判を呼んだ。観光客がお土産に購入するようになり、八重瀬町の特産品となった。

 当初から制作に関わっている田港朝一さん(81)は右手が不自由にもかかわらず、左手だけで一番難しい絵付け作業を担当している。翁長敏光さん(66)も46年前から制作を担当する。2人とも下絵なしで巧みに筆を走らせ絵付け作業を行っている。

 「琉球みやらびこけし」は一般のこけしより細くすらっとしたなめらかなボディーが特徴だ。半世紀の間、デザインを少しずつ変えながら洗練され、現在は沖縄の紅型衣装や琉球かすりなど8種類を制作している。八重瀬町のふるさと納税の返礼品にもなっている。
 (喜屋武幸弘通信員)