予想外の結果にも感激と笑顔 那覇大綱挽、3年ぶりに復活 国際通りでは旗頭行列「喜びを感じた」


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支度台で向き合う演者を囲み、観客の熱気も最高潮に=9日午後3時45分、那覇市の久茂地交差点(ジャン松元撮影)

 第52回那覇大綱挽まつり(同実行委員会主催)が8、9の両日、那覇市内で開催された。3年ぶりとなった9日の那覇大綱挽と旗頭行列には、県民や観光客が集まり活気に沸いた。午後4時前、西と東の綱をつなぐカヌチ棒が勢いよく差し込まれ、ムードは高まった。盛大にくす玉が割れた直後に「西の綱に切れたところがあり、引き分けとします」とアナウンスが響いた。

 予想外の結果に参加者から驚きの声が漏れた。初めて参加したという児童(11)=那覇市=は、コロナ禍で大きな祭りの体験がなく楽しみにしていた。「ハプニングとして思い出に残った。楽しかった」と話した。

 西の綱を引く予定だった女性(43)=糸満市=は記念撮影をして「綱は引けなくて残念だけど、ある意味記念になった」と笑顔だった。東京から観光で来た男性(22)は「綱はすごい長さと聞いていたが、想像の5倍は大きかった」と驚いた様子だった。

 切れた綱を眺めていた西一番実行委員会の糸数正則さん(50)は「けが人が出なくて良かった。やはり活気があって良い。また来年に向けて頑張りたい」と意気込んだ。

 旗頭行列では、国際通りに各地の旗頭が並び、爆竹や鉦子(しょうご)の音が響いた。久茂地盛鶴保存会で旗頭を上げた野原由人さん(36)は「やっとできた。地元で旗を上げられる喜びを感じた」とすがすがしい表情だった。

 旗頭を眺めていた児童(10)=那覇市=は「とても大きくてびっくりした。ワクワクしてうれしい」と感動した様子だった。
(中村優希、金盛文香)