【本部】関西周辺に住む盲導犬の利用者5人が1月21~23日、盲導犬と共に沖縄を訪れ、沖縄美ら海水族館や備瀬のフクギ並木を観光した。スマートフォンの音声解説アプリなどを使って海の生物の魅力に触れ、沖縄の自然や食文化を楽しんだ。
来沖したのは兵庫盲導犬協会の盲導犬5頭とその利用者、引率者2人。元同協会役員で本部町在住の大西裕幸さん(65)のつながりで訪れた。
水族館では引率者の説明に加え、アプリでQRコードを読み込み各ブースで音声解説を聞いた。全盲の井上孝江さん(71)=岡山県岡山市=は「初めてイルカショーを体験した。見えなくても、イルカがバシャバシャと水をたたく音で様子が伝わり感動した」と喜んだ。
また、本土の店舗では盲導犬連れの入店を拒否された経験があるが、沖縄ではそうしたことがなかったといい「皆さん優しかった。次は家族と来たい」と語った。
全盲の福尾貢さん(66)=兵庫県明石市=は、備瀬の潮風や木の香りが印象的だったという。沖縄そばや海鮮料理、ポーク卵といった食も楽しんだ。「犬たちも、仲間が一緒でテンションが高く張り切っていた」と笑う。視覚障がい者の立場から気付いたこととして「スマホ操作が苦手な人もいる。水族館への入館時や各ブースで、職員に声かけしてもらえると助かる。備瀬は、並木道の分岐点に音声ガイドや点字掲示板などがあると歩きやすいと感じた」とも語った。
(岩切美穂)