陸自ヘリ事故、2人の身元特定 宮古警備隊長の搭乗も明らかに 第8師団長と宮古警備隊長を交代へ


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宮古警備隊長がヘリに搭乗していたことを明らかにする森下泰臣陸上幕僚長=20日、防衛省

 【東京】沖縄県の宮古島市沖で発生した陸上自衛隊ヘリコプター事故を巡り、陸自は20日、死亡が確認された5人のうち2人の身元が特定されたと発表した。いずれも第8師団司令部の庭田徹(にわた・とおる)1等陸佐(48)と神尊皓基(こうそ・ひろき)3等陸佐(34)で、16日に発見されてその日に死亡が確認されていた。庭田氏は8師団のナンバー3に当たる幕僚長で、3月末に着任したばかりだった。森下泰臣陸上幕僚長は20日の記者会見で、伊與田雅一(いよた・まさひと)宮古警備隊長がヘリに搭乗していたことを明らかにした。

 事故を受け、後任人事も公表した。搭乗していた坂本雄一第8師団長の後任に青木伸一第11旅団長が、伊與田宮古警備隊長の後任には県出身の比嘉隼人第5施設群長が就く。21日付。

 陸自は宮古警備隊の1人が含まれていることは明らかにしていたが、氏名は公表していなかった。坂本師団長と伊與田警備隊長の行方は分かっておらず、トップ不在の状況が長引くことを防ぐため、人事に踏み切った。森下陸幕長は会見で「厳しさを増す安全保障環境等を踏まえ、南西地域での任務遂行や捜索状況などを考慮し、総合的に判断した」と述べた。

 防衛省や海上保安庁は20日も宮古島市の海域で捜索を続けた。深い海に対応する「飽和潜水」の作業を担っていた潜水艦救難艦「ちはや」19日から補給に入り、20日は潜水による海底での作業は実施されていない。複数の関係者によると、沖縄県内では潜水時に使うガスを補給できず、ちはやは広島県呉市にある拠点港に向かっている。 (明真南斗)