子だくさん オシドリのひな19羽 ピヨピヨ優雅に 沖縄・東村のため池


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仲良く泳ぐオシドリの親子=5月27日、東村内(金城道男さん提供)

 【東】東村に住む西銘晃さん(69)が所有する農地内のため池で、渡り鳥のオシドリのひな19羽が確認された。ため池では2019年以降、毎年オシドリの繁殖が確認されているが、西銘さんによるとひなの数はこれまでで最も多い。ため池でオシドリの確認を続けているNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の金城道男副理事長は「成鳥は他のダムでも見られるが、ひなをしっかり確認したのはこの池だけだ」と珍しさを強調する。

 確認されたオシドリの親子は4組で、体長10センチから20センチほどのひなは計19羽おり、一つのグループに最大8羽がいる。ため池では15年にオシドリの姿が初めて確認され、19年には水辺に設置した無人カメラがひな2羽の姿を捉えた。金城副理事長によるとオシドリは渡り鳥だが、やんばる地域、特に東村では「留鳥化している」という。

 ひなは20年と21年は4羽だったが、昨年は12羽と増えた。金城副理事長はひなの数が増えた要因について、主食とするドングリなど植物の種が豊作だったことや、天敵から身を守ることができる池の「生息環境が適している」と説明した。

 水辺に設置したカメラには、ひなを連れたメスの親鳥が水浴びをしているヤンバルクイナを警戒する様子なども映っていた。西銘さんは「15年に初めて見つけた当初はよく分からない鳥だったが、今ではオシドリを見る目が変わった」と笑った。西銘さんの妻の美恵子さん(68)は「オシドリはすごく貴重な存在だ。来年からもどんどん増えるかも」と期待した。
 (武井悠)