夏の日浴び、糖度増し 沖縄在来ヤマブドウ「リュウキュウガネブ」収穫始まる 甘酸っぱくこくのある味わい 沖縄・宜野座


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沖縄在来ヤマブドウのリュウキュウガネブの実を収穫する農家の新里えり子さん=21日、宜野座村惣慶

 【宜野座】宜野座村惣慶の新里えり子さん(49)の畑で21日、沖縄在来のヤマブドウ、リュウキュウガネブの収穫が始まった。毎年、梅雨明けごろから収穫が始まり、太陽の日を浴びて、夏場に向けて糖度が増していくという。自然栽培で育て、収穫された実は県外でワインとして加工される。

 リュウキュウガネブは沖縄や奄美諸島などに分布している種で、野山に自生し「カニブー」や「ヤマブドー」とも呼ばれる。新里さんの畑では、二十四節気に合わせた昔ながらの畑作業を意識し、丹念に育ててきた。収穫のピークになると、糖度は20度程度となり、甘酸っぱくこくのある味わいとなる。濃い紫色の小さな実にはポリフェノールやレスベラトロールなどの成分がたっぷり詰まっている。今年は5月の台風2号の影響で落ちた実もあったが、その後は順調に育っているという。新里さんは「先輩方から『懐かしい。子どもの時によく取って食べたよ』と声を掛けられる。沖縄在来種を育てることで地域活性化につながっていってほしい」と話した。
 (池田哲平)