夏休みのかき入れ時に沖縄を直撃した台風6号。県内各地で倒木やアーケード破損などの被害が発生した。4日以降は再び暴風と大雨が予想される中、合間をぬうように商店街の店主は片付けに追われた。
台風6号の暴風警報が解除された3日、沖縄本島の市街地では後片付けに追われる市民の姿が見られた。
那覇市内の商店街ではアーケードの破損が相次いだ。那覇市のサンライズなは商店街。雑貨店を営む60代女性店主は飛んできた枝の掃除に追われ「もう5袋目だよ」とごみ袋を見つめた。
うるま市具志川では倒木で車線の半分がふさがった。具志川青年会が横断旗で交通整理をしながら、のこぎりで解体作業をしていた。天願虎南会長(24)は「地域のためにできることをしたい」と話した。
那覇市久米の福州園では、園内の代表的な建築物「東冶堂」の壁が破損し、室内に壁の破片や椅子が散乱した。十文字良彦園長は「これほどの被害は初めてだ」と語り、早期の修復に取り組む予定だ。
一方、北谷町の美浜アメリカンビレッジには、観光客らが数日ぶりの外出を楽しむ姿があった。
(金盛文香、増田健太、石井恵理菜、玉寄光太)
東村、高波で道路に砂 沖縄市でブロック塀倒壊
風雨が猛威を振るった台風6号。東村平良を通る県道70号と国道331号では、強風や高波で浜から巻き上げられた砂が約400メートルにわたって積もった。国道沿いにある輝喜重機の金城一喜代表は「少しでも通行の手助けをしないと」と、重機をリースし、ボランティアで砂の撤去を始めた。県北部土木事務所によると、除去は台風の再通過後になる見込みだ。
沖縄市山里では駐車場のブロック塀が倒壊し、車3台のフロントガラスが割れる被害が出た。車の所有者の女性(24)は「雷が落ちたような音で気がついた。風だけで塀が倒れるなんて信じられない」と恐怖を語った。
糸満市米須では、公民館近くのガジュマルが倒れ、車1台の屋根が損傷した。近所の久保田たつ子さん(75)は「長年住んでいるが、こんな怖い台風は初めて」と声を震わせた。