ドングリころころ♪楽しみに


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12年目で初めて開花したアマミアラカシと施設関係者ら=12日、那覇市の安謝児童館

 日赤安謝福祉複合施設(川満博信園長)の安謝児童館裏で、2004年に植えたアマミアラカシ(ブナ科)がこのほど初めて開花した。かつては本島内でよく見られた“ドングリ”の木だが、特に中南部では戦後の開発などで徐々に姿を消しつつあるのが現状だ。植え付けから12年。ようやく花開いた木を見上げる関係者は「秋にはドングリがなるのでは」と期待している。

 アマミアラカシは奄美大島や沖縄本島、宮古島・八重山諸島に分布する固有種。石灰岩地を好み、樹高は成木で15メートルを超える。県内では4~5月ごろ開花するという。宜野座村漢那に県内最大規模の群落地があるが、中南部は一部に小規模な群落が見られる程度だ。
 同児童館の大村朝建館長によると、12年前に知人から入手したドングリを施設裏にまいたところ、1本だけが根付いたという。約10メートルに成長したこの木は、5日ごろから約1週間、黄緑色の縮れたひも状の花が垂れ下がるように開花した。
 児童館を利用する米須利音さん(10)は「ドングリが採れたら、おもちゃを作って遊びたい」と期待。大村館長は「ドングリが那覇にも昔はたくさんあったことを知り、環境の変化などに関心を持ってほしい」と語った。
 07年から中南部でアマミアラカシを育てるプロジェクトに取り組んでいる「市立森の家みんみん」(首里儀保町)の藤井晴彦理学博士は「各地で植えているが、花はまだ咲いていない。今回の開花は励みになる」と強調。初の結実までたどり着くことを願った。
 「みんみん」は5月5日午前10時から、末吉公園にアマミアラカシのドングリを植える。参加無料。同日午後2時からはドングリで遊ぶイベントも実施。参加費300円。問い合わせは同施設(電話)098(882)3195。