マッコウクジラ庭泳ぐ 10年かけ手入れ 沖縄市の安慶名さん


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潮吹くクジラの盆栽の世話をする安慶名好子さん=沖縄市久保田

 【沖縄】沖縄市久保田の安慶名好子さん(79)が夫と剪定(せんてい)したハリツルマサギ(ニシキギ科)が、泳ぐ「クジラ」のよう、と地域で話題になっている。潮吹きの様子までを約10年かけて表現した。盆栽でよく使われるハリツルマサギで、方言名はマッコウ。その名を冠して「マッコウクジラ」と命名した。塀を飾るクジラの姿に子どもたちから歓声が上がる。

 クジラ盆栽は体長3・5メートル、胴体2メートルの巨体。約10年前にラン栽培に専念しようと夫の一郎さん(76)が盆栽をやめ、地植えにしたため、その後のハリツルマサギの世話は好子さんが見てきた。
 弾力性のあるハリツルマサギを刈り込むことで、左右に成長させるなど手入れをしてきた。クジラの潮吹きの部分まで入れると、樹高は4メートル超になるそうで、高い部分ははしごを使って一郎さんが剪定している。
 好子さんは「1カ月もすると新芽が出て、クジラの形が崩れてしまうので、身だしなみを整える。1カ月に1回は“散髪”は欠かせない」と話す。
 クジラ盆栽に隣接して公園が近くにあり、通り掛かる子どもたちから塀を飾るクジラの姿に歓声が上がると「ああやって良かった、幸せと感じる」と話し、笑みをたたえた。