空調補助一部廃止 市町村教委が継続要求 「維持費も国責任で」


この記事を書いた人 新里 哲
空調維持費補助の継続を沖縄防衛局に要請する平敷昭人県教育長(左)=12日午後2時すぎ、嘉手納町の沖縄防衛局

 米軍基地周辺の学校施設で実施されている防音事業の空調(エアコン)維持費補助が2016年度以降の実施設計分から一部廃止される問題で、県内の市町村教育委員会でつくる県市町村教育委員会連合会は12日、浦添市で開いた総会で「学習環境や市町村の財政に影響がある」として、国に対し補助の継続を求める方針を全会一致で承認した。今後、県教育庁と調整し国に対し要請する考え。一方、平敷昭人県教育長は同日、沖縄防衛局を訪れ、維持費補助の継続を要請した。

 県市町村教育委員会連合会は、維持費補助廃止への対応について、総会前に緊急に理事会を開き補助継続を求める方針を確認した。
 同連合会副会長で、那覇市教委の渡慶次克彦教育長は「今回措置は唐突で驚いている。国の責任で設置した空調機であれば維持費も国が責任を持つべきだ。補助廃止について県教育庁や県議なども防衛局に要請しており、連合会としても意思表示していく」と話した。
 一方、防衛局への要請で平敷教育長は「(廃止対象となっている)3級、4級の学校でも、騒音があることを認め防音工事をしている。維持費もセットであるべきだ。(維持費の)財政負担で子どもの貧困対策などさまざまな取り組みへの影響が懸念される」と述べ、補助の継続を求めた。
 対応した防衛局の平井啓友次長は「今回の見直しによって直ちに補助を打ち切るわけではない。影響を緩和するため機能復旧工事の補助率も1割程度引き上げ、負担ができるだけ小さくなるように措置している」と、防衛省の見解を述べるにとどめた。
 要請後、平敷教育長は記者団に「3級以下は影響が軽いから維持費はいらない、というのは違う。(自治体の財政負担が生じれば)予算上、何らかのしわ寄せが教育のどこかに来ることを懸念している」と指摘。今後の対応では「関係部局で連携して調整していきたい」と述べた。