地域

安波ダムに“幻の滝” 高水位時、船から見学

水位の高い時にしか見ることのできないシゲランファーの滝(右)と雨降りの滝=国頭村の安波ダム

 【国頭】国頭村に「幻の滝」がある。安波ダムの「雨降りの滝」と「シゲランファーの滝」は、ダムの水位が高い時にしか近づくことができず、普段は見られない。台風が近づいた水位の高い時に、安波ダムの作業船に乗ってみた。

 ヒカゲヘゴやブロッコリーのようなイタジイで生い茂る森を横目に船を進めると、風を感じながら緑の森の中に入り込み、新鮮な空気を吸う。やんばるにのみ生息するノグチゲラやヤンバルクイナの鳴き声が聞こえる時もあるという。ダムの説明員が用意した透明のコップでダムの水をすくうと、淡水に生息するマミズクラゲが入った。下流よりも上流に多く生息するので、上流に行くと白いクラゲがうようよしていた。

 安波ダムの平常時の最高貯水位は103・5メートル。この水位が1メートル以上下がると、川底が見えて幻の滝に通じる川へ船を進めることができないという。

 シゲランファーは落差約16メートル。地元の言葉で滝のある地域を「シゲーラ」、川を「ファー」ということから「シゲーラの川の滝」という意味で呼ばれている。「雨降り」は雨がたくさん降らなければ枯れてしまうということから、この名が付いた。

 安波ダム管理支所によると、今年は村内の安波、奥、佐手小学校の子どもたちを乗せたほか、9月のクイナ祭でも一般客に公開した。クイナ祭に参加した嘉手納町の津覇貴之さん(44)は「きれいで最高だった。中南部にはない雰囲気で、北部でも初めて見た」と話した。乗った人のアンケートによると「また来たい」との声も多く、好評のようだ。

 安波ダム管理支所の川田文彦管理係長は「他のダムよりも自然がたくさんあり、ジャングルを感じてもらえる」とした。

 国頭村は村土の約84%が森林で、多くの場所で自然の豊かさを体験できる。森林に覆われたダム周辺の「のどかさ」は新たな観光資源になる可能性を秘めている。国頭村の一部は9月に国立公園に指定されたばかり。これまで知られていなかった、国立公園の新たな魅力の発掘はまだまだ尽きないようだ。
(阪口彩子)



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