沖縄県立高60校で卒業式 久米島、離島留学生巣立つ


この記事を書いた人 新里 哲

 沖縄県内60の県立高等学校で1日、卒業式があった。全日制、定時制、通信制を合わせて1万3684人が新たな進路に旅立つ。16の特別支援高では高等部、専攻科を合わせて317人が卒業した。久米島町の久米島高校(前川守克校長)では、町が行う離島留学制度の第1期4人を含む82人が母校を巣立った。

地元を離れて学んだ離島留学1期生の卒業を祝う家族ら=1日午後、久米島町の久米島高校

 離島留学の4人は、里親家庭や寮から学校に通った。島の人たちと豊かな自然の中でキャンプ、海遊び、組踊を体験し、町営塾に通うなど、同高校ならではの日々を重ねた。

 卒業式の答辞で中村柊真さん=神奈川県出身=は「不慣れで不安だった私を里親さんはじめ多くの方々が支えてくれた」と感謝した。吹奏楽部で活躍した喜舎場弘望(のぞみ)さん=長崎県出身=は「部活を通して地域とも交流できた」と笑顔。荒井竜馬さん=東京都出身=は「島に来て自分の進路をしっかり考え、勉強する意味が分かった」とかみしめた。「楽しくて3年間はあっという間だった」という宮城みのりさんに母さつきさん(52)は「里親さんに本当に大切にしてもらった」と目を潤ませた。(黒田華)