本当は「新種」でした 沖縄のサネカズラ、神戸大学院講師ら確認


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おしべの集合体が黄色であることが多いリュウキュウサネカズラの雄花(当真嗣尊さん撮影)

 琉球列島などに分布し「サネカズラ」と認識されていた植物が別種であることが神戸大学大学院理学研究科の末次健司特命講師らの研究で明らかになった。新種として「リュウキュウサネカズラ」と命名した。30日の国際誌「サイトタクサ」オンライン版に掲載される。

 サネカズラ属は常緑のつる性の植物。古くはつるから取れる粘液を整髪料として使い、ビナンカズラとも呼ばれる。県内では本島北部や離島で確認されている。

おしべの集合体が赤いサネカズラの雄花(森小夜子さん撮影)

 やんばるの森に通い、植物観察を楽しむ当真嗣尊さん(66)=宜野湾市=が実や花の色が県外の物とは異なることに気付き、末次さんに調査を依頼した。末次さんは他大学の研究者らと標本や遺伝子を詳しく調べ、サネカズラとは別種であることを証明した。

 サネカズラはおしべの集合体が赤いが、リュウキュウサネカズラはほとんどが黄色い。おしべの葯(やく)の並び方にも違いがあった。

 当真さんは「同じだと思っていたものが別種と分かり、うれしい」と声を弾ませる。末次さんは「よく知られた種の中に新種があったとは驚きだ。やんばるの森の重要性を改めて示している」と話した。