地域の心一つに 宜野湾区大綱引き


この記事を書いた人 平良 正
前村渠と後村渠に分かれて全力で綱を引き合う宜野湾区民ら=30日午後8時すぎ、宜野湾市宜野湾の沖縄国際大学(上原修撮影)

 【宜野湾】5年に1度の「宜野湾区大綱引き」(同実行委員会主催)が30日夜、宜野湾市の沖縄国際大学で開催された。区内外から大勢の人が訪れ、2007年の復活以来、戦後3回目の綱引きを楽しんだ。沖縄戦の混乱で途絶えていた伝統文化の継承に向け、地域が心を一つにした。

 宜野湾区の中央にある道を隔て、前村渠(めーんだかり)と後村渠(くしんだかり)に分かれて綱を引いた。お互い攻勢を強める接戦の末、約3分で後村渠が競り勝ち、2連覇を果たした。

 綱引き前には青年たちが力を見せつけ合う「旗頭ガーエー」が繰り広げられた。

 対戦後は勝った方の綱を両陣営が頭上に掲げながら蛇行する「戻り綱(むるいぢな)」で勝利を祝った。

 戦前は毎回、前村渠が勝っていたといわれるが、戦後の成績は後村渠が2勝1敗となった。後村渠長の金城仁清さん(73)は「皆で一致団結して頑張れたことが勝った結果以上にうれしい。綱が1本になったように結ばれた心で一体となって今後も地域を盛り上げたい」と笑顔を見せた。

 対戦後には勝った方も負けた方も一緒になって歌や踊りを楽しむ「諸人毛(しゅにんもー)遊(あし)び」が催された。