伝統大綱引き、熱く 東勝利し豊漁告げる 渡嘉敷


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力の限り大綱を引き合う東の人たち。2年ぶりに勝利した=16日、渡嘉敷村役場前大通り

 【渡嘉敷】豊穣に感謝する旧暦6月25日の「カシチー」に行われ、300年余の伝統を誇る渡嘉敷村渡嘉敷区(稲守清昭区長)の「大綱引き」が16日、村役場前大通りで開かれた。東西約130メートルの大綱を約2分間引き合う力勝負の末、2年ぶりに東が勝利した。東が勝つと豊漁、西が勝つと豊作といわれる。

 渡嘉敷郷友会から贈られた祝いのタオルを頭に巻いた東西の区民らが綱引き会場に大綱を運び込み、「サーサー、サーサー」の勇ましい掛け声とともに、若者らが旗頭の共演で威勢をつけた。区長の合図でカヌチ棒が差し込まれ勝負開始。東が勝つと、歓声と祝いの旗頭が舞った。綱引き後はエイサー、子ども空手、フラダンスも披露された。

 新里武光さん(80)=東区=は「先祖代々守り続けた伝統の大綱引きは区の誇りだ」と力を込めた。

(米田英明通信員)