エイサー届いた 恵み雨 伊江村太鼓ドンドン「雨乞」


この記事を書いた人 琉球新報社
太鼓を鳴り響かせる青年会のそばで「雨乞」ののぼりを持って練り歩くちびっ子チョンダラーたち=3日、伊江村川平

 【伊江】夏の風物詩となった伊江村青年会(儀間幸太会長)の旧盆巡回エイサーが2、3の両日、村内9カ所で行われた。総勢50人の踊り手が鮮やかな衣装に身を包み、大きな掛け声と地謡の演奏に合わせて太鼓を鳴り響かせた。伊江島エイサーは手踊りがなく、女性も男性に交ざって大太鼓やパーランクーを手にし、力強いばちさばきを披露した。

 村では2カ月以上まとまった雨が降らず、サトウキビを中心に深刻な被害が発生していた。そのため、青年会は3日の巡回会場で、黒糖工場の道路沿いに建てられた「雨乞」ののぼりを借用し、ちびっ子のチョンダラーに持たせて会場を練り歩き、雨を願った。

 ミースィ公園での最終公演が終わった30分後の午後10時ごろから、雷を伴った激しい雨に見舞われた。雷の影響とみられる停電が村内の一部地域で発生した。雨は1時間ほどでやんだが、久しぶりにまとまった雨となった。

 儀間会長は「3カ月間の練習に耐え、勇壮な演舞を披露することができた。自分も農家の立場として雨を待ち望み、恵みの雨が降ってうれしい。雨乞いを兼ねたエイサーで少しは役に立ったかな」とほほ笑んだ。
(金城幸人通信員)