海神様へ豊漁願って 大宜味でウンガミ、古宇利でウンジャミ


この記事を書いた人 大森 茂夫
海に漬かった女性たちの太鼓と掛け声で出迎えを受けながら、浜を目指すハーリー船の男たち=9日午後2時すぎ、大宜味村の塩屋湾(新里圭蔵撮影)

 【大宜味・今帰仁】国の重要無形民俗文化財に指定されている大宜味村塩屋の伝統行事「ウンガミ(海神祭)」が9日、塩屋湾と周辺集落で執り行われた。集落の無病息災や、豊作豊漁を願った。

 ウンガミは毎年、旧盆明けの「亥(い)の日」に行われ、400~500年続く伝統行事とされている。午前は、田港や屋古のアサギに神酒や舞をささげて門中の人々の健康や豊作を祈願した。午後からは塩屋、田港、屋古の男性らがしぶきをあげて疾走する御願バーリーが行われた。対岸では女性たちが、わら鉢巻き姿で腰元まで海水に漬かり、ティサジ(手ぬぐい)を打ち振り太鼓を鳴らして神人を乗せた船を出迎えた。

 塩屋とのきょうだい神がいるといわれる今帰仁村古宇利でも「ウンジャミ(海神祭)」が行われた。神人らが船をこぐしぐさで豊年の祈りをささげ、海に面した島のシラサ岩の上で、大宜味村塩屋に向かって「神送り」の祈りをささげた。