ほっこり芸術 日常に癒やし 「沖縄手帳」アールブリュット掲載


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄手帳に掲載された作品「ケーキがすきな王さま」を持つ兼城太郎さんと、兼城さんの作品など=琉球新報社

 沖縄特有の暦や記念日にこだわった沖縄手帳。2018年度版の沖縄手帳には、星槎(せいさ)国際高校2年の兼城太郎さん(17)=うるま市=の絵が、生の芸術を表すアールブリュット作品として掲載されている。兼城さんが描き出す色鮮やかな作品は、多忙な中で手帳を使用する人を笑顔にする。沖縄手帳社発行人の真栄城徳七さんは「絵を見て優しい気持ちになってほしい」と話した。

 アールブリュットとは、フランス語で、伝統や流行、教育に左右されず自身の内側から湧き上がる衝動をそのまま表現した「生の芸術」を意味する。沖縄手帳では「手帳を使う人にほっとしてほしい」との気持ちで、2012年から県内のアールブリュット作品を掲載している。

 今回、兼城さんの数ある作品の中から小学校1年の時に描いた「ケーキがすきな王さま」が採用された。大きなケーキを前にうれしそうに笑顔を見せる王様。力強い線とカラフルな色使いが特徴だ。真栄城さんは「王様の喜んでいる表情が楽しそうでよかった」と選んだ理由を語った。

 兼城さんは絵を描くことが好きで6歳から描き始めた。今も自宅のステンドグラスや絵巻などに絵を描いている。両親の手帳は、沖縄手帳への採用が決まる前から兼城さんのイラストが施されたオリジナル手帳だ。兼城さんは作品が採用されたことを喜び「自分のイメージやアイデアで色を混ぜて描いている」と作品を説明し「将来は絵を描く人になりたい」と夢を語った。

 沖縄手帳はハンディサイズが3色あり、980円。A5サイズが2色で1350円。沖縄の暦のほか、沖縄独自の記念日を100件掲載している。県内の書店や文具店などで販売している。