芸能・文化

買い物袋の中に広がる小宇宙 美術家照屋さんら、星空再現のアプリ開発

アプリの仕組みを解説する美術家の照屋勇賢さん(右)と沖国大産業情報学科講師の大山健治さん=那覇市天久の琉球新報社

 百貨店の買い物袋の中に広がる小宇宙―。沖縄県出身の美術家・照屋勇賢さん(44)と沖縄国際大産業情報学科講師の大山健治さん(46)が共同で、紙袋や空き箱の中に星空を表現するアプリケーション「Planet Tools」を開発した。実際の星空の写真をコンピューターで読み込み、立体的な袋の形に応じた設計図を作ることができるアプリ。紙袋をのぞき込むと四角い空間に大小の星が輝き、本物の夜空を眺めているようなわくわくとした気持ちになる。

 2人は将来、理科や図工、物理学などの授業でアプリの活用に期待を寄せる。紙袋を青空に向けると星の輝きが増し、色鮮やかな絵画を背景にのぞき込むと多彩な色合いが楽しめる。


買い物袋の中。四角い空間に星が輝く

 照屋さんはアプリを使用した作品を「SKY PORTRAITS Constellation」と名付けた。照屋さんは2012年、紙袋の中で星空を表現する作品を初めて発表した。

 当時は星の位置を自分で想定し、手作業で袋の外側から穴を開けていたが、「本物に近い空を表現したい」という思いを抱いてきた。昨年、開邦高校時代の先輩の大山さんに相談したところ、アプリを開発しようと意気投合した。

 アプリでは、実際の星空の画像を読み込んだ後、星のほぼ正確な位置を袋の形に合わせて記す設計図を作ることができる。それを印刷し、袋の四方に貼り付けて大小の細かい穴をカッターナイフで開けていく。

 試作品で用いたのは世界的に有名な高級デパート「BARNEYS NEW YORK」の紙袋だ。紙袋や空き箱などを素材に使い、循環を意識しながら制作活動をしてきた照屋さん。高級デパートの紙袋を使用したことについて「袋を手にすることで、消費社会を考える機会になれば」と語る。

 今後はアプリを活用してイランや台湾など世界各地の星空を表現する作品をあみ出したいという。「アプリはスマートフォンの中だけで使うものではない。作品をつくる道具になる」と展望を広げる。

 大山さんは共同制作を通して「情報技術の可能性を感じた」と振り返る。「ワークショップを開いてアプリを広め、教材としての活用を進めたい」と意欲を見せた。




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