歌って♪ 備えて 火災警報器 ニライ消防が啓発ソング


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
住宅用火災警報器の未設置を解消しようと啓発ソングをつくったニライ消防の署員ら=9日、嘉手納町のロータリー広場

 【読谷】秋の全国火災予防運動が9日、始まった。設置が義務化されている住宅用火災警報器の未設置を解消しようと、ニライ消防本部が啓発ソング「わが家の住警器」を作り、同日、管内で初披露した。琉球民謡調で、三線に合わせて警報器の役割を歌っている。

 設置率の全国平均は81.6%だが、県内は58.1%で最下位。読谷、嘉手納、北谷のニライ消防管内は52%とさらに低いのが現状だ。

 どうにか設置率を上げてもらいたいと、ニライ消防は7月、全職員向けにアイデアを呼び掛けた。これに反応したのが三線を習っている消防士の上地久幸さん(36)。「替え歌で子どもに踊ってもらえるようなものができれば、関心を引くことができるのではないか」と、師匠の照屋早月さん(32)に相談した。

 「オリジナルでできるよ」と応じた照屋さんが作曲。師の計らいに奮起した上地さんが作詞を受け持った。「煙と熱が大好きさ 火事が起きたらいちでーじ すぐにピピピと知らせます」。詞は火の気に目を光らせる警報器になり切って書いた。3番では、家内の安全を守る警報器に家族が感謝する内容だ。

 9日のFMよみたんの番組に上地さんらが出演。同僚で同じく三線を習っている喜友名繁成さん(33)、照屋さんの3人が歌う曲が初披露された。「警報器の歌って、堅くて子どもたちが踊るかな」と最初は半信半疑だったFMよみたんの仲宗根朝治代表だが、聴くと「いいですね」とニッコリ。

 曲はテンポ100(1分間に100拍)に合わせているが、これは心臓マッサージの際、胸骨圧迫で推奨されてきたリズムでもある。一緒に出演した金城俊昭消防長は「救命講習の際にも曲をかけてアピールできる」と出来栄えに太鼓判を押した。既に踊りも完成しているそうで、全県で活用してもらいたい考え。音源や踊り手本についての問い合わせは同本部総務課(電話)098(956)9914。