深海のウニ見たことある? 美ら海水族館で国内初展示 5月末まで


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美ら海水族館で展示されているヤミガンガゼ(沖縄美ら海水族館提供)

 【本部】沖縄県本部町の美ら海水族館は31日、ウニの仲間「ヤミガンガゼ」の国内で初めての展示を開始したと発表した。水族館内の「深海の小さな生き物」エリアで2個体を展示する。5月末までを予定。

 展示個体は、沖縄美ら海水族館を管理運営する沖縄美ら島財団が2017年6月と18年8月に行った独自の深海生物調査で、恩納村沖などの水深200メートル付近で捕獲した。

 ヤミガンガゼはティモール海やフィリピン、バリ島の水深70~400メートルの深場に生息する。日本では鹿児島県志布志湾で発見されていたが形態の記録などはされていなかった。

 東京大学大学院の田中颯氏、国立科学博物館の藤田敏彦氏との共同研究として、本種が沖縄島周辺にも生息することを論文報告した。沖縄島周辺では水深200メートル付近の泥地に生息すること、トゲの間にヒカリイシモチ属魚類が共生すること、海底に流れ着いた海藻や海綿類を餌としていることを明らかにした。

 光のほとんど届かない深海底に生息することから、ヤミ(闇)ガンガゼの名前を新たに提唱した。