汚れていた外壁がアートに変身 沖縄の伝統織物「ミンサー」模様に 沖縄市の美里公民館


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公民館の外壁に描かれたミンサー模様を紹介する久高唯文美里自治会長=3日、沖縄市の美里公民館

 【沖縄】雨が続き憂鬱(ゆううつ)な気分になりがちな梅雨。沖縄市の美里公民館では3日、沖縄の伝統織物「ミンサー」の模様が公民館を囲む外壁に描かれた。屋富祖工業(市美原、屋富祖功代表取締役)の社員らが高圧洗浄機を使って模様を施した、その名も「水あかアート」。雨の日に琉球石灰岩の鮮やかな白がくっきりと映え、道行く人を楽しませている。

 公民館入り口拡張のため、外壁の一部を取り壊すと聞いた屋富祖代表。「どうせ壊すなら試しにやってみたい」と高圧洗浄機で模様を描くアートを思い付いた。以前に左官工事のために特注したが使わずにいたミンサーの型を用い、年月がたって黒ずんだ壁を“洗浄”すると、美しい模様が浮かび上がった。

 市美里は、かつて住民が利用した井戸(カー)や御嶽などの文化財が点在しており、傘を差しての散策にもお薦めと、「水と文化の町の美里にぴったり」とご満悦の久高唯文美里自治会長。屋富祖代表は「地元の企業として地域に貢献できてうれしい」と笑った。
 (下地美夏子)