「イヤサーサー」老若男女が集まりカチャーシーで熱い夜 全島エイサー最終日


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沖縄全島エイサーまつりを締めくくるカチャーシーで盛り上がる観客ら=25日夜、沖縄市コザ運動公園陸上競技場(大城直也撮影)

 【沖縄】心揺さぶる太鼓の音色と心地よい地謡の歌声が会場を包んだ。沖縄市コザ運動公園陸上競技場で開かれた第64回沖縄全島エイサーまつり最終日の25日、県内外の14団体が個性豊かな演舞を披露した。締めのカチャーシーでは、国籍や年齢を問わず観客が乱舞し、「エイサーのまち」沖縄市の熱い夜を楽しんだ。

 「イヤサーサー」。強い日差しの下、子どもたちの元気な声が響く。幕開けを飾った創作エイサーのぶながやぐわぁ、国際色豊かな沖縄市国際交流協会に温かい拍手が送られた。

 東京中野区新風エイサーは総勢80人で若きパワーを爆発させた。有田佑馬代表(22)は「恩返しの思いを込めた。エイサーの本場で表現できて感無量だ」と汗を拭った。沖縄市で生まれ育った東盛賢資さん(83)=中城村=は、新風エイサーの演舞を見て「外国や県外でも親しまれてうれしいね」とほほ笑んだ。

 池原青年会とうるま市江洲青年会は、伝統の息吹を感じさせる厳かな舞を披露した。演者を担ぎ上げるアクロバティックな「唐船ドーイ」で会場を沸かせた読谷村楚辺青年会。松田輝希代表(24)は「夢の舞台を盛り上げたかった」と達成感をにじませた。

 涼しい風が吹き始めた夕暮れ時、まつりの常連団体を一目見ようとエイサーファンが集まり始める。1歳からエイサー好きという仲程凌凰(りおう)ちゃん(3)=うるま市=は、軽快な地謡に腰を揺らした。父の博一さん(44)は「素晴らしい舞台に立つ地元の青年会が誇らしい」と笑った。

 結成60年を迎え、大トリを務めた園田青年会。息をのむ演舞に会場の熱気は最高潮に達した。割れんばかりの拍手の中「カチャーシー」の掛け声が響くと、観客が一体となって舞い、会場が揺れた。フィナーレで大輪の花火が夜空を彩り、夏の祭典は閉幕した。