【アメリカ】40年の陶芸生活語る 山田さん、北米県人会と夕食会


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陶芸家の山田真萬さん(前列左から4人目)を囲み開かれた北米沖縄県人会の夕食会=6月、米カリフォルニア州の県人会館山内ビル

 隔年でニューヨークを訪れ自作の展示販売をしている陶芸家の山田真萬さんが夫人の文子さんと娘の美和子さんを伴って、このほど、北米沖縄県人会を訪れ、県人会有志と夕食会を持った。山田さんは読谷村に窯を持ち、多くの作品を発表。来年はフィンランドでも展示会を開催するという。
 山田さんは父親で画家の故山田真山さんが東京で経験した沖縄県出身者への差別や上野美術学校(現東京芸大)を卒業後、芸術家になりたいと恩師に伝えた時に、沖縄の名前では1位にはなれないと言われたため、渡嘉敷から山田へ改名したこと、沖縄戦で2人の息子を失った傷心の日々、糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂にある「平和祈念像」制作に費やした長年の努力などを感慨深げに語った。
 また、父の進言どおり陶芸家になり、人間国宝の故金城次郎氏や栃木県の益子焼を学び、現在の地位を得たことなども話した。
 山田さんは、リトル東京にある国立日米博物館を訪れ、第2次世界大戦で日系人が強制移住させられ苦難の道を歩んだ歴史を見て、「移民は自分が長いあいだ抱いていた願望であったが、今回初めてこのような歴史的背景があったのかと驚いた。40年の陶芸生活を通して沖縄の良さを世界に奨励したい」と述べた。(当銘貞夫通信員)