【北米】先輩に学び職業選択を 沖縄県人会キャリア・セミナー


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キャリア・セミナーの講師を務めた(右から)ヒラハラ、城田、上原デュランの各氏と、司会のヘリーン島根さん=県人会山内会館

 北米沖縄県人会ヤング・オキナワン部主催の第10回キャリア・セミナーが10日、県人会山内会館で開かれ、医師、劇作家、文学の各分野で活躍する3人が職業選択までの道のりや仕事の内容、収入などの講話をした。若い人たちが先輩に学び、職業選択をしてほしいとの願いが込められている。

 上原デュラン医師は那覇市出身で、広島県の三育学園を卒業。「小さいころから、英語が話せる医者になって多くの人を助けたいとの夢を持っていたので、アメリカ留学を決心、ロマリンダ大医学部を卒業後、現在の仕事に就いた」と説明。「言葉で表現すると簡単だが、医者になる道はとてもきつかった。本気で頑張れば必ずなれる」と、若い人たちを激励した。
 ハワイ生まれの劇作家ジョン城田さんは、ブリガム・ヤング大学(ユタ州)で会計学を専攻、会計士として出発した。傍ら、文学にも深い興味を抱き、ジェームス・ジョーンズの「地上より永遠に(原題From Here To Eternity)」に強くひかれたという。
 作家を目指し、ハワイからロサンゼルスへと住まいを移し、「レイラニのハイビスカス」などの作品を発表した。会計士と作家のどちらが、より収入が多いかとの質問に、「文学作品は収入よりもプライドを優先した」と、ユーモアを交えて答えた。
 最後に羅府新報の元英文編集長で3月にミステリー「がさがさ・ガール」を出版した作家のナオミ・ヒラハラさんが講話。「ジャーナリストや作家は大学で英語、ドラマ、スピーチなどの学部専攻を取得した人たちが多い」としながら、スタンフォード大学で国際関連学部を専攻した本人の経験を例に挙げ、「専攻にこだわらない職業選択も可能」と力説した。
 日系企業、日系人の伝記、日系団体の紹介などの作品を多数発表してきた広島系4世だが、夫は沖縄系3世。「次回作はアメリカ、特に南カリフォルニアにおける沖縄系の歴史について書きたい。数少ない日系文学者として努力したい」と抱負を語った。
(当銘貞夫通信員)