浦添商高生が手作り挙式 職員の宜保夫妻祝福


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<手作り挙式>浦添商業生徒が用意した花道を歩く花嫁の宜保由佳さん(手前左)と夫の章太さん=21日、浦添商業高校中庭

 浦添商業高校の国際観光科の生徒ら30人が21日、ブライダルスタッフとなって、同校職員の宜保由佳さん(27)と那覇高教員の夫、章太さん(37)の挙式を同校中庭で開催した。

由佳さんが、ブライダル実習を学ぶ同高生徒に挙式の開催を依頼した。全生徒約900人が見守る中、2人は生涯寄り添っていくことを誓った。同校で挙式が開かれたのは初めて。
 由佳さんと章太さんは2008年に婚姻届を出したが、経済的理由などで挙式や披露宴を挙げるのを見送っていた。国際観光科の生徒がブライダルの実習などに頑張る姿を見て、9月に“生徒手作り”の挙式を依頼した。
 生徒は、宜保夫妻に喜んでもらおうと、1センチ四方の折り紙で作った縦2メートル、横1・7メートルのモザイクアートで家族写真を表現したり、長女の美由姫(みゆき)ちゃん(3)に指輪の運び役、長男の尚吾君(2)にフラワーボーイを依頼したりと趣向を凝らした式にした。
 由佳さんは「ほかの式場では感じることのできない、生徒との距離の近さに温かさを感じた。感激しすぎて言葉が出てこない」と笑顔を見せた。
 章太さんも「生徒みんなの温かい祝福の雰囲気がひしひし伝わってきて、とても幸せだ」と顔をほころばせた。
 エスコートを務めた同校2年の崎浜奈美さん(17)は「エスコートという大役だったので、とても緊張した。『浦商の生徒に頼んで良かった』と思ってもらえるよう頑張った」と充実感に満ちた表情だった。
 司会を務めた2年の田場鈴佳さん(17)は「由佳先生から『ありがとうね、大成功だったよ』と声を掛けてもらったのでよかった。反省点もあるので、直して、より良くしたい」と実践の場を与えてもらったことに感謝した。宜保夫妻が来年3月にホテルで開く披露宴でも同校生徒がスタッフを務める。
(当銘寿夫)