農業青年の意見発表 瑞慶覧さん全国一「農作物で人を笑顔に」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
<県勢初>「北中城村を農業で元気にしたい」と受賞の喜びを語る瑞慶覧朝幸さん=7日午後、北中城村内

 【北中城】北中城村で農家としてトマトを栽培している瑞慶覧朝幸さん(28)=同村屋宜原=が、東京都で2月28日にあった「第52回全国青年農業者会議農業青年の意見発表」で最優秀賞に選ばれた。県勢の受賞は初めてという。

九州代表として出場した瑞慶覧さんは「みんなの笑顔が見たいから」と題し、自分の作った農作物で多くの人を笑顔にし、農業を広げたいと主張。「特に若い人に農業の良さをどんどん知らせていきたい」と今後に向け意欲を見せた。
 瑞慶覧さんは高校卒業後、ペットショップやホテル関係の仕事を続けるうちに「自分が最初から手掛けたもので多くの人を笑顔にしたい」との気持ちが芽生え、就農を決意。約2年前から父・朝勇さん(65)が経営する「Z農園」でトマト栽培の手伝いを始めた。
 「それまで全く農業に就く考えはなかった」と笑う。専門書やインターネットで品種や有機栽培などについて学び、独自の販売ルートを開拓するため営業にも力を入れた。今では村の学校給食にも瑞慶覧さんのトマトが出され、村内外のホテルやレストランにも出荷している。
 現在は独立し、一農家としてトマト栽培に取り組む。村内で20代の農業従事者は瑞慶覧さんを含めて2人だけ。「スーツを着るだけが仕事じゃない。農業をプラスに捉えるようなやり方を広げたい」と話す。
 生まれ育った北中城村に対する思い入れも強い。意見発表では「村を農業で元気にしたいというバトンを、未来の農業青年たちに引き継いでいくことが私の使命」と強調した。
 瑞慶覧さんは「子どもたちが将来この村で農業がしたいと思えるような村づくりを進めたい」と決意を抱いている。