【東】米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯建設が進む東村高江の森で14日、国の特別天然記念物ノグチゲラが子育てをする営巣木の上空をオスプレイが1時間ほど訓練飛行する様子が確認された。
巣には巣立ち前のひなが1羽おり、飛行後約2時間巣穴から顔を出さなくなった。ひなは15日に巣立ちしたが、撮影した昆虫研究者の宮城秋乃さん(35)は「訓練が続けば他の個体に影響があるのではないか」と懸念した。
巣を観察していた宮城さんによると、巣には2羽のひながおり、11日に1羽が巣立ちし、残り1羽が巣に残って親鳥が給餌行動を続けていた。14日午後2時~3時にかけてオスプレイが飛来してからは、ひなは巣穴にこもり、鳴き声も出さなかった。親鳥も巣に姿を現さなかったという。
巣穴がある高江の森では着陸帯の建設工事が進むが、3~6月はノグチゲラなど野鳥の繁殖期のため工事は中断している。この巣を見つけた環境NGO「やんばるの自然を歩む会」代表の玉城長正さん(74)は「このひなは巣立ったから良かったが、親鳥が巣を放棄する可能性もある。工事も中断するのだからオスプレイの飛行も中止すべきだ」と指摘した。