犠牲者の面影しのぶ 対馬丸記念館、4人の遺影追加


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新たに掲示された遺影を手直しする学芸員=21日、那覇市若狭の対馬丸記念館

 対馬丸記念館(那覇市若狭)で20日、犠牲となった4人の遺影を新たに加えた。記念館で掲示される遺影は、317人の289枚となった。家族も対馬丸に同乗していた場合が多いことや空襲などで持ち物を焼失した遺族が多いことから、犠牲者1428人のうちいまだ多くの遺影が掲示されていない。

 新たに遺影が追加された神田雪子さん=当時(13)=は対馬丸乗船当時、那覇国民学校に通っていた。千葉県に住む弟の栄三さん(78)が写真を提供した。栄三さんは「母が仕事で忙しく、姉さんがご飯を作ってくれたり寝かせてくれたりした。姉に育ててもらったようなものだ」と思い出を語った。
 写真は2年ほど前、いとこが見つけて連絡してきたという。「遺影がなくて寂しかった。見つかって良かった」と話した。
 対馬丸が撃沈されて70年となる8月22日に向けて、学芸員らはさらなる遺影の追加と追加刻銘を目指し調査を進めている。