「心はいつも沖縄に」 県人連携誓う 川崎ウイークフォーラム


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フォーラムの幕開けで「かぎやで風」を披露する人間国宝の宮城能鳳さん(手前)と玉城流翔節会家元の玉城節子さん=19日午後、神奈川県川崎市のソリッドスクエアホール

 【神奈川】人間国宝の宮城能鳳さんと玉城節子さんによる「かぎやで風」で開幕した19日の琉球新報移動編集局川崎ウイークのフォーラム。会場となった川崎市のソリッドスクエアホールには県出身者をはじめ、沖縄に関心を寄せる県外出身者も詰め掛け、登壇者の提案の数々に聞き入った。

 ウチナーンチュネットワークの強化に向け、県人会が抱える課題と展望をテーマに深く論議した。聴衆は言葉一つ一つに大きくうなずいたり、メモを取ったりするなど、真剣な表情で聞き入っていた。最後は心を一つに連携することを確認し、会場は一体感に包まれた。
 川崎沖縄県人会は創立90周年で、本土の県人会では最も古い。東京、横浜・鶴見の県人会も歴史を重ねており、高齢化や会員減少など県人会の課題も共通している。登壇者からは時代の流れに即しながら多彩な分野で沖縄との関係、県人会の展望を描くべきだとの意見が相次いだ。
 「沖縄に生まれてよかったと思える沖縄をつくることが県人会の活性化になる」「政治、文化を含めてヤマトを沖縄化する。沖縄の知恵を発揮することで、日本の現状が戦前をほうふつとさせる中で平和を訴えていく」。示唆に富んだ提案に会場からは時折、盛大な拍手が湧き上がった。
 会場からも沖縄への熱い思いを訴える声が上がった。川崎市在住の座覇光子さん(74)は「県人会が生きていく基礎をつくっていく。心はいつも沖縄にある」と県人会が果たす役割の重要性を強調した。
 会場で熱心に話を聞いていた都内在住の組原慎子さん(33)=立教大学大学院=は父親が本土出身、母親が県内出身で18歳まで那覇市で育った。現在、大学院でブラジル県人会を研究している。組原さんは、川崎県人会や沖縄の芸能を伝える「川崎沖縄芸能研究会」について触れ、両会が県外の人も受け入れていることに「県人会というと、閉ざされているイメージがあったが川崎は沖縄好きに開かれている」と指摘した。